伝えきれない君の声
その目は、
綺麗な二重で。
目尻が下がり、
優しい目をしてた。
「えっと…何にしようかな。」
レジのカウンターにあるメニューを見つめ、男性は「うーん」と目を細める。
コーヒーでこんなに迷う人、
初めて見た。
「俺、優柔不断で。ごめんなさい。」
「いえ、大丈夫です。」
まるで心の声が聞こえていたかのようなその言葉に、
慌てて視線を移す。
「じゃあ、アイスカフェラテお願いします。」
アイスカフェラテ……
ちらりとカウンターの上に乗った冷えきった彼の手を見つめ、
「ホットじゃなくても、よろしいですか?」
と聞かざるをえなかった。
「えっ?ああ、大丈夫です。
俺、店内だと、どうも冷たいものが飲みたくなって。」
あ、それわかるかも。
そう考えながら、
アイスカフェラテを作り出した。