バレンタインロスト
その視線の向こう側
彼には好きな人がいるって気づいたのは付き合い始めてすぐだった。

私と話していても、一緒にいてもどこか遠い目をしているときがあった。

だから、私は二番目なんだろうなって思った。

一番目の人は誰だろう?

セカンドトップでも良いかなって思ったけど、

すごくうらやましかった。

その一番目の人。

一番だと付き合えなかったかもしれない。

二番目だから付き合える

恋人でいられる。

それが私の唯一の優越感だった。
< 1 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop