バレンタインキッス 【短編】
「俺も…桜井が好きだよ。」
えっ…
今…なんて?
「これ。僕と付き合ってください。」
そこには、チョコレートが差し出されていた。
チョコレートメーカーのロゴが逆に描かれている、逆チョコだった。
「これ…」
あたしは感動のあまり、涙しかでなかった。
「うん…さっき渡そうとしたけど、桜井からもらったのは星野のチョコだったから…てっきり、桜井は俺のこと。好きぢゃないんかと思った。」
神谷くんは、頬を赤らめ少しハニカミながら言った。
「で…返事聞かせてくれる?」
彼はあたしに返事を求めた。
「はい。よろしくお願いします!」
あたしは、ニコッと心の底から笑った。
そして、神谷くんに抱き寄せられ チュッとキスをされた。
それは、甘くてほろ苦いチョコのような味のバレンタインキッスだった。