カナリアンソウル

記憶

「遊び仲間って…」


『だって、そうなんだよね』


なんたって、自分が学校を休みたいと思った日に“いつもの場所”に行けばその日一日の暇な時間は潰れる。


あたし以外にも半登校拒否になってる生徒はいっぱいいるってワケだ。


「高瀬、不良は社会に通用しないぞ！」


顔を真っ赤にしながら前のめりになった佐藤。


ツバを飛ばしながら声をヒーヒー言わせている。


不良は社会に通用しない？


じゃあ非行に走った少年のドキュメントドラマを真剣に毎週見てるあたしの母さんは、ただの冷やかしか？


『あたし不良じゃない。そんな度胸ないよ』


「また生意気に口答えか！入る学校間違えたな！」


自分のクラスの生徒は皆、優秀に育てたい。


なんて願望があるのかもしれない。


「どうして進学クラスに来たんだよ…」


あんたに言われてるあたし、激アツ。


担任教師さまさま。


熱血教師ぶるのは良いけど、その裏表の激しさをどうにかしなよ。


なんて。


大胆発言をする意気地も無いまま『センセーさようなら』と、ちょっと皮肉った感じで職員室を出ようとした。


「お前のわがままだ！」