カナリアンソウル
―五月十三日。
朝、登校するときに校門の辺りで、病院で見た綺麗目な女の人とすれ違った。
向こうは気付いて無かったみたいだけど。
『あーきっ!おはよ』
「おー」
『…結衣だけど?』
“まさか”と思って恐る恐る聞いてみると、「わかるよ」の一言だけ言って何かを黙々と書き続ける明希。
『な〜にしてんのっ?』
ちょっと覗くふりをしようと身を乗り出したら、何かがびっしり書かれたノートが見えた。
すぐズラされたけど。
『ちょっとぐらい見せろ!』
「駄目だよ」
あたしの顔を見て、八重歯を出してニッコリ笑う明希。
『…ごめん』
明希は、良いよ。と言って目線をノートに戻し、ページをパラパラめくる。
『今日機嫌良くないの?』
「ん?いや、んなことないよ?」
『じゃあもっと嬉しそうにしろよ。毎日顔見て飽きちゃった?』
冗談っぽく笑ってみたけど、明希は机をジッーと見ていた。
反応してよ。
『明希〜、やっぱなんかあったんでしょ?』
ホントどうしちゃったの。
『言えない?』
「…また、入院することになった」
朝、登校するときに校門の辺りで、病院で見た綺麗目な女の人とすれ違った。
向こうは気付いて無かったみたいだけど。
『あーきっ!おはよ』
「おー」
『…結衣だけど?』
“まさか”と思って恐る恐る聞いてみると、「わかるよ」の一言だけ言って何かを黙々と書き続ける明希。
『な〜にしてんのっ?』
ちょっと覗くふりをしようと身を乗り出したら、何かがびっしり書かれたノートが見えた。
すぐズラされたけど。
『ちょっとぐらい見せろ!』
「駄目だよ」
あたしの顔を見て、八重歯を出してニッコリ笑う明希。
『…ごめん』
明希は、良いよ。と言って目線をノートに戻し、ページをパラパラめくる。
『今日機嫌良くないの?』
「ん?いや、んなことないよ?」
『じゃあもっと嬉しそうにしろよ。毎日顔見て飽きちゃった?』
冗談っぽく笑ってみたけど、明希は机をジッーと見ていた。
反応してよ。
『明希〜、やっぱなんかあったんでしょ?』
ホントどうしちゃったの。
『言えない?』
「…また、入院することになった」