カナリアンソウル
また、入院…?


『どうして?』


「…俺がバカだからかな」


『そんな…体調悪いの?』


「大丈夫。今日も果穂ちゃんと居たの?」


話しそらされた。


『うん、今うちで寝てる。サボり』


明希には果穂の話を沢山していた。


果穂に出会った日からずっと。


「そか。相変わらず自由な子だね!」


いたずらっ子みたいに笑う明希は、いつにも増して幼くて可愛く見える。


「ねぇ、結衣」


『んー?』


「俺、夢あんだ。将来の」


『、夢か』


「そっ!学校の先生になんのね!」


明希は、切なそうな笑顔で顔でペンをクルクル回す。


こういうのにあたしは弱い。


てか、こういう明希に弱いのかも。


『先生…あたし嫌いなんだけど?』


「知ってるっ!」


『なんでよ〜』


「俺が担任の先生になったら好きになっちゃうかもよ?」


『知らなーい』


明希は、ノートに素早くペンを走らせる。


「逆、かもな」


『なにが?』


「俺が生徒に恋しちゃうかも」


『モテんじゃね?明希ならさ』


「どうかな。モテモテになって大変なことになったら助けてね」
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