カナリアンソウル
皆が放心してる中、ばあちゃんは植物状態のまま何も反応を示さなかった―…



人間は脆い。


とりあえず煙草吸って気持ち落ち着かせようとして、外来の休憩所にいた。


ボーっと火種の部分を見ながら、煙草は良くないって部屋来てまで説教されたのを思い出した。


『はあ…』


本当にばあちゃんが死んだとき、あたしどうするんだろ。


泣くのかな。


笑うのかな。


『どうにもならないか…』


病院に連絡したとき、正直死んでるって思った。


何も確認しないで死んだって思った。






「…結衣か?」


この声、知ってる。


あたしは顔を伏せた。


「どうした〜?」


隣に座った、優しい声。


背中さすられてやっと気付いた。


あたし、泣いてる。


「おっ、やった!」


『ん…?』


顔上げたら目があった。


「泣き顔、生で見れた」


イジワル。


『なんでココに居んのさ。タイミング良すぎだから』


「なんでだろ。結衣の、助けて!って声が聞こえた気がしたんだよねえ〜」


そんなワケない。


助けて欲しいときの声は、簡単に誰かに届くモノじゃない。
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