カナリアンソウル
父さんは、まだ仕事があるからって職場に戻った。


あたしと弟は、母さんと車で帰宅した。


家着いてから、すぐ電話する自分キモい。


『もしもーし』


「はいはい」


…あんたは年寄りか。


『まだ起きてたんだ。てか何笑ってんの』


「連絡してとか言って、早速自分からしてきたから」


『わっ、悪い?』


「全然。そーゆうの好き」


『そりゃありがと』


「結衣は絶対モテるタイプだね。俺の勝手な推測」


『学校でのあたし見たら、そんなこと言えないじゃん』


「そうかなぁ。自分の言ったことに自信持ってるとことかさ、俺、好きだけど」


『ハブきにあってんのに?そんなとこ好きになんないでよ』


意地はったり、日常茶飯事だからさ。


いっぱい損するし。


「かっこいいじゃん。自分は自分って感じで?」


『全然カッコ良くないし』


そんな風に言われたら、気まずいじゃん。


あたし、クラスで一人ぼっちの女子なんだからさ。


「…ついででも何でも良い。だからずっと側にいて?」


『いきなり?女の子みたい。いるよ。嫌でも毎日学校で隣にいるし』


「…―うん」
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