カナリアンソウル
―六月二日。


雪溶けの水もすっかり無くなり、アスファルトがくっきりと見える季節になった。


久しぶりに行った学校。


帰りに果穂と歩いてたら、偶然にも中学の先輩に会った。


新しい出会いがあるとき、いつも果穂のテンションは最高潮だ。


車の運転席の窓から顔を出すノッチ君。


鳴海が赤ちゃん産む前、明希と出会う前にお世話になってた仲間の一人。


『あっ!ノッチ君じゃん。どーも、久しぶり』


あたしは初対面かのように、わざとらしく声を掛けた。


「おう。まだその変な敬語みたいの使ってんだ。てか隣だれ?」


『友達。果穂』


果穂はニッコリ微笑んでた。


なに、その微笑み方。


お前キャラちげーだろ。


「今から飲み会だけど来ない?」


いっつも突然。


突然、連絡が来たりして気分が向いたら行って。


良く飲み会したりしてた。


『今まだ昼だよ?』


てな感じで、いつも。


「果穂行きたぁ〜い☆今からとか超早い〜!」


「果穂ちゃんはノリノリだね。結衣は?」


『あたし用事あるから…』


飲み会に行ったら、明希のとこに行けなくなっちゃう。
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