カナリアンソウル
夜。


あたしの部屋まで陸斗が迎えに来てあたし達は家を出た。


陸斗は三年で、あたし達の一個上。


車の免許は学校に内緒で既に取っていた。


果穂はニコニコしながらあたしにピースした。


『…話ってなに?』


「今日は二人でゆっくりしよ」


小さく笑う陸斗。


飲み会の場所は地元のコテージで、昼間あそこに居たメンバーも結構集まっていた。


『二人…?』


「そっ、今あいつらカラオケ行って皆居なくなるから」


『あ。そーなんだ。でもバンガロー凄いね。ちょっと寒いけど…』


でもってなんだよ。でもって。


我ながら同様丸分かりだ。


二人きりとか…


普通に恥ずかしい。


と言うか緊張するから嫌。


この男はこうやって女をモノにしてくのか?


怖すぎる。


「んな警戒すんなよ」


『するでしょ!今日初めて会ったのに』


「へっ?」


陸斗は腹かかえて笑い出した。


『なによ』


「俺、女の子好きだけど、女遊びはしないよ」


『絶対?』


「おー、絶対!」


『ふ〜ん』


「こらっ。信用しなさい!」


ってほっぺ軽くつねられた。
< 57 / 116 >

この作品をシェア

pagetop