カナリアンソウル
屋上は立ち入り禁止。
高校に入って半年も経つのに、未だ穴場的な場所は見つけられない。
私達の体育の授業が終わると必ず次の授業は卓人と貴がいるクラス。
それが気になり体育館の出入口にひっきりなしに目が向いた。
ひろみも私と同じく気にしている様子だった。
授業終了のチャイムが鳴る。
「よそ見してたら顔面にボール当たっちゃうよっ!めーいーちゃん」
大きな声が体育館を制圧した。
どこから呼ばれたのか一瞬ぼんやりしたが、上のギャラリーに卓人と貴が居るのか見えた途端、思わず息が詰まった。
男子は字を書くことより体を動かす方が好きなのだろう。
次の授業までには早すぎる集合である。
二人は馬鹿にしたように手を叩いてゲラゲラ笑う。
私はほとほとウンザリしながら、
「顔面に当たっても関係ないから!」
とギャラリーに向かってバスケットボールを投げ、体育館を出た。
あいつらはいつもそうだ。
ああやってはぐらかして、決して正面から応じようとしてくれない。
人の恋心を踏み躙っては、これもボケただけだとか後になって言うし。
こんな嫌な気分になっても、やっぱり貴が好きなことが酷だ。
高校に入って半年も経つのに、未だ穴場的な場所は見つけられない。
私達の体育の授業が終わると必ず次の授業は卓人と貴がいるクラス。
それが気になり体育館の出入口にひっきりなしに目が向いた。
ひろみも私と同じく気にしている様子だった。
授業終了のチャイムが鳴る。
「よそ見してたら顔面にボール当たっちゃうよっ!めーいーちゃん」
大きな声が体育館を制圧した。
どこから呼ばれたのか一瞬ぼんやりしたが、上のギャラリーに卓人と貴が居るのか見えた途端、思わず息が詰まった。
男子は字を書くことより体を動かす方が好きなのだろう。
次の授業までには早すぎる集合である。
二人は馬鹿にしたように手を叩いてゲラゲラ笑う。
私はほとほとウンザリしながら、
「顔面に当たっても関係ないから!」
とギャラリーに向かってバスケットボールを投げ、体育館を出た。
あいつらはいつもそうだ。
ああやってはぐらかして、決して正面から応じようとしてくれない。
人の恋心を踏み躙っては、これもボケただけだとか後になって言うし。
こんな嫌な気分になっても、やっぱり貴が好きなことが酷だ。