カナリアンソウル
週末、ひろみと卓人と貴と四人で隣街に出かけた。

卓人の先輩がひろみと卓人を祝って、集まろうとのことだった。

金曜日の部活を終え、玄関先で靴を履き換えていると、どうおまえ、週末の集まり来る? と貴が急に誘ってきた。

「なんで私たち?ひろみが行くのはアレだけど、卓人の先輩知らないよ」

「友達も誘ってみんなでやろうって言われたんだって――」

貴はさみしそうな笑みとともに、

「皆で集まれるの……最後かもな」

とつぶやいた。

学校を出てから、私達はいつもの公園に直行した。

「何か、久しぶりに来た…」

「ひろみはちゃんと禁煙してんのか?」

「してるみたい……いっ?!」

私の目線の先には、どす黒いオーラを放って煙草吸ったり、甲高い声で笑ったりしてる集団。

「うわっ、凄い変な人達。こわっ!」

私と貴は無言で顔を見合わせた。

「不良」

声は聞こえずとも、貴の口がそう言っていた。

「集まり、あんな人たちばっかりだったらどーする?」

貴は怪訝そうな顔。

「お前ら、何年生?」

いきなり、私の足元にしゃがんだ男が話し掛けて来た。

「高一ですけど」

と貴は淡々と答えた。
< 78 / 116 >

この作品をシェア

pagetop