カナリアンソウル
『…駄目』


やっぱさ…


こう、何か。


好きになる一歩前で冷めちゃうってか…


いまいち恋愛に発展しないうちに終わるってか…


はき捨ててはみたけど、あたしの彼氏って一体誰なんだか。


『陸斗…?ではないな。あたしのこと子供にしか見てないし』


ムカつく。


すっごいモヤモヤする。


『明希…』


あくびで出るような、少しの涙が目尻を伝う。


あたしの気持ち大切にしてよ。


明希の側に居たくて大切に思えて仕方なかった、あたしの気持ち。


じゃないと明希の知らない人のとこ行っちゃうんだからね。


『もしー』


「もしもし?なしたのこんな時間に」


『祭行く人いる?』


「いないー。てか果穂さ、結衣と行こうとしてた。違った?」


『違くなーい。行こ』


「うん」


『うん』


「………、そんだけ?」


『だけ。駄目?』


「べっつにー。寝るわ。おやすみ」


『早くない?』


「果穂は結衣ちゃんより家遠いんでっすぅ〜」


『あー、はいはい』


「じゃあねん★」


『ばーい。…あ、待って。明日学校行くの?』


「早起き出来ればね」
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