カナリアンソウル
―九月三十日。


溜まり場に行ったら、いつもより沢山人が集まってた。


あたしと果穂は、毎日来てるから相手が来てれば会いたくても会いたくなくても会うことになる。


「結衣、俺の隣おいで」


『うん』


あたしはすっかり後輩に成り下がっちゃって、陸斗に可愛がられてますって感じだった。


それが嬉しかったりして、でも果穂の様子が気になる。


あたしと陸斗が話してると、細い目でジーッとこっちを見てくるブス女。


「あの〜…」


『はっ?』


「あの〜…」


「結衣ちゃんって友達居ないの?」


あの〜‥とか散々溜めといて出たセリフはコレ。


『なんで?』


「いや、いつも果穂と居るしさ」


そう言ってその女は、あたしの膝から切っておいたプリを何枚か取っていった。


関係ねーだろ。


なんだコイツ。


ホント、バカにしてる。


あたしを果穂の金魚のフンか何かとしか思って無いのか。


『勝手に持ってくな』


「え‥ごめ〜ん」


までは良いけど、あげる人いたんだぁ♪とか言わなくていーし。


うち等のやりとりを陸斗は苦笑いして見てるし。


『ウザッ…』
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