カナリアンソウル
『わかった。もうここには来ない』


あー


終わる。


何もかもあたしの全てが。


「俺たち、さよならだ」


さよなら、か…


『…うん。元気でね』


「ハハッ……。病人に向かって元気も何も無いよ」


あたしの大嫌いな笑顔。


『それも、そうだよね…。変なこと言ってごめん、』


「俺も、色々ごめん」


作り笑い、させちゃった。


あたしが。






『最後に一言だけ言わせて』


ちょっとくらい素直にさせて。


格好良く決めゼリフ吐いたのに、ドアに寄りかかった体がフラフラとさ迷う。


このまま倒れて記憶喪失になりたい。


そして目覚めたらね?


明希みたく、この半年間近くのコトどんどん忘れていくの…


色んな想いも全部。


「ん?」



















“大好き”
















―あれからキミはどうしたかな。


あたしみたいに泣いてる?


あたしまるっきり腑抜けた魚だよ。


何もする気になれないんだ。


頭ん中で明希の名前、繰り返し呼ぶんだけど…


笑顔が思い出せなくてさ。


なんか、寂しいね。
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