秘密のアイドル~仮面カブリノオ姫様~下

どんなにアタシが望まなくても時間はどんどん過ぎていき、キスシーンの撮影に突入した。


「だから私はあんたなんか嫌いって言ってるじゃない……」

嘘。

アタシはいつも嘘ばかり吐く。


「お前が俺を嫌いか好きかなんてどーでもいいんだよ」


真二の役は匡にぴったりかもしれない。

どんなにアタシが嘘で塗り固めても

どんなにアタシが拒否しても自分の想いを優先する。


こんな俺様な事も平気で言っちゃうし。


「俺がお前を好きなんだから」


あ……台詞ミス……


もしかして、アドリブ?

ここのほんとの台詞は″俺が志月を好きなんだから″なのに。


とか考えてる間に匡の両手が伸びてきてきつくアタシの身体を包んだ。


< 103 / 132 >

この作品をシェア

pagetop