秘密のアイドル~仮面カブリノオ姫様~下


「おせーんだよ、馬鹿」


匡がきつくアタシを抱き締めてくれる。



なんでか判らないけど、すごく落ち着く。


この気持ちは…何?


いろんな角度からとるから暫く抱き合ってるシーン。

そんな時、匡がアタシの耳元で囁き始めた。


ここで台詞なんてないのに。


「さっきは…怒鳴り付けて悪かった」


謝るくらいなら最初からしなければいいのに。

アタシの顔は澄ました表情。


「あんな事言ったけど、やっぱ俺侑姫が欲しい。

嘘ついててもいい。

隠し事しててもいい。



俺は



お前じゃなきゃダメなんだ」







そんな事…


アタシの事そんなに……



「ほん……ほんと??」



「あぁ」


聞きなれた匡の低い声。
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