秘密のアイドル~仮面カブリノオ姫様~下
げっ、映すなよ!って迷惑丸出しの顔をしてカメラから逃げる純君。
「あー、新一君とはまた別のタイプの人やなあ」
その後は番組が用意してたコーナーなどどんどん進んで、無事収録を終えた。
「いんやぁ~、新一君TV初めてなんやろ?そのわりにはよく喋れてたなぁ~」
「や、それはサンバさん(司会者名)が話を振ってくださったから出来ただけであって俺自身はまだまだっすよ」
この男もやっと謙遜の2文字を覚えたか。
芸能界で調子乗りすぎててブッ叩かれるのがしょっちゅうだから心配してたんだよね。
「よっしゃ!じゃあ今日のこの記念すべき日を俺が酒奢ったる!侑姫ちゃん、、はまだ呑めへんのか~かわいそやな~」
「私はこの後も仕事入っちゃってるんで、すみませんが失礼します」
てか、兄貴のお祝いって事務所側でも計画してるんじゃ……??
でもこの場合はサンバさんのが優先だよね。
無名の新人がサンバさんに誘われるなんてフツーないだろうし。
「侑姫ちゃんも仕事仕事で大変やなぁ。今日本で一番忙しい人って言ってもなんも違和感感じないくらい、どの番組つけても見かけるもんなぁ。頑張ってなぁ」
「はい!ありがとうございます。失礼します」
そのまま兄貴を置いてアタシはラジオスタジオのある半蔵門に急いで向かった。