秘密のアイドル~仮面カブリノオ姫様~下
「今日アタシこれから仕事だけど兄貴はうちにいるの?」


髪の毛を丁寧にとかしながら聞く。

「まあ行くところもないしね」


本当に同居するなら合い鍵作らなきゃだよね。

「お腹空いたらカップラーメンとか沢山あるし、出前もとっていいから家にいてね?あ、出前なら自分のお金でよろしく!」

「俺貧乏なのに…ゆう、お小遣いほしい」

は?

こいつは一体何を言ってるの?

「仮にも年上の兄貴が妹に金を貰おうって言うの??」


血の繋がったこの兄貴はどういう教育を受けてきたのだろうか。


「仕事も探そうとしないで何言ってんの。いい年した大人なんだから自分で稼いだ金で食べな。努力もなんもしないで甘えるだけならうちから出てけ」


アタシは自分には甘いけど、他人には厳しい。

「仕事なら見つかったじゃん~」


「芸能界なんて不安定なものに縋るな!セカンドのバイトでも探せ」


まだ新人が何を言ってんだか。
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