秘密のアイドル~仮面カブリノオ姫様~下
クランクアップもまだなのに……
どうしよう……
「今は、仕事の事は忘れてとにかく治療に専念しよう、焦ると空回りして余計に時間がかかるだけだよ」
先生は優しい声で言った。
「忘れるなんて……」
無理です。
そう言おうとアタシの口が開いたけど、すぐに思い直して自分の中に飲み込んだ。
「乙宮さんて意外と真面目なんだね」
何、このヤブ医者。
子供扱してくれちゃって
「別に真面目じゃりませんけど!!」