秘密のアイドル~仮面カブリノオ姫様~下


「乙宮さんは1人だった??」


ぱたっ、と音を立ててパジャマの上にアタシの目から水が落ちた。


首を静かに横にふる。

「皆が……皆がいました」



アタシの周りには皆がいつもいてくれた。


ぱたぱたぱたっ……




「確かに幼少期の乙宮さんは辛い思いをして育ったかもしれない。でも、今周りにいる皆で楽しい思い出を増やしていく、ってゆうのもいいんじゃない??」


思い出を―……



「アタシはいつも忘れたくて、忘れたくて……でもっ、罪悪感から忘れようとすればする程、パパとママの笑顔が鮮明に浮かんできてっ!!……どうすれば……いいのかわからなかった」

「どうしようもなかった!!」


あの時の子供のアタシじゃ……


泣く事しか出来なかったの―……





「今までよく頑張ったね、もういいんだよ。お父さんもお母さんも侑姫ちゃんの命を自分の命をかけて守ったんだ。きっと満足してるよ。あとは乙宮さんが両親が守ってくれたその命を大切にするだけだよ」



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