秘密のアイドル~仮面カブリノオ姫様~下
「んー、金が貯まるまで。今俺無職だから!!」
無職だから無職だから無職だから……
頭の中でリフレインする。
「けっ、景気が悪いとかその、何かよくわかんないけど……今流行りの就職先が無いってヤツ!?」
車に乗り込みながらびっくりする。
「流行りって……」
純君が突っ込もうとしたところに乗ってくる兄貴。
「そうそう!!俺、流行に敏感だから」
ギャハハって笑う辺り、やっぱりアタシにそっくり。
はぁ―…って運転席からは大きなため息。
まぁ、在る意味純君から一番遠い人間よね、うちの兄貴は。