秘密のアイドル~仮面カブリノオ姫様~下

こつこつと努力してる人達と違ってアタシみたいなポッと出の人間は上の人達から嫌われ易いし、そのわりに事務所の人とかその他仕事の関係者からは変な期待を背負う羽目になる。


急に売れたり、急に売れなくなったり、友達だった子が急に売れ出して一瞬でその関係が崩れる事だってある。


下を向き考え込む。


「ホントに、先輩心配っすよ…先輩はいつも強がってるけど…本当は優しい人って自分知ってます!」

やっぴは優しくて暖かい。
なんで事務所も違うただのアタシみたいな先輩にも優しくしてくれるんだろ??


「本当に大丈夫だから。こんな事この世界ならよく在ることってやっぴだって知ってるでしょ??それにやっぴは間違ってる。アタシは弱くない。アタシは……強いよ」


鏡に映る自分の瞳を見て言った。

最後の一言はやっぴにじゃなくて自分を見てる自分に言った。


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