秘密のアイドル~仮面カブリノオ姫様~下
stage27 やっちまった
「俺、言ったよね??気を付けろって」
笑顔もない純君。
綺麗で静かな事務所の一室。
アタシと兄貴の前には沢山の雑誌や新聞。
「「……」」
純君の言う通りですとも。
だけど純君の有無をも言わせない無言の圧力でアタシも兄貴も無言を続ける。
「気を付けろって言い続けた結果がこれ?」
バサッとアタシと兄貴の前に雑誌を放る。
昨日。
アタシと兄貴がTSUTAYAから帰って家に入るとこをマスコミに撮られていた。
″ノースキャンダル女優、ついに同棲発覚!?″
こんなでかでかと見出しまで書かれて。
「すみません」
とりあえず、謝っとくって感じで兄貴が言った。
馬鹿だ。
中途半端に謝ると余計に純君の怒りは大きくなるのに。
「すいませんで済む話じゃない。だいたい、すいませんは謝る言葉じゃないから」