どりーむタイムズ



 ―…無言で作業、30分。まだ半分も掲示物を取れていない。

 僕にとっては、3時間ぐらいに感じたのに…全然進まない。

「…ねえ。本当に高校行かないの?」

 …これが目当てか。しつこいよ。

「だーから、まだ決めてねーの。はっきり言って、しつこいよ。」
「こっちの身になって少しは考えてよ!!!クラス全員を私はで高校に行かせなきゃいけないの。高校行きたくても、頭悪くて高校無理な人もいるのよ。なのに、頭良くても高校行かないなんて…シャシャッてんじゃないよ!!!!」


 ………ヤベェ。キレた。

 でも、ここまで言われて僕も引き下がるわけにはいかなかった。

「俺の事なんだから、真田には関係ないだろ。」


 彼女が一瞬泣き顔になった。

「…もう、いいよ。首突っ込んで…ごめん。」


 ヒステリックな女は、大の嫌いだ。
 けど今は、彼女のさっきの泣き顔が忘れられない。

 …さっきといい今といい、僕はいったいどうしてしまったのだろうか。
 彼女に会ってから、まるで胸の奥が締め付けられているみたいにズキズキ痛む。
 女がいつも言ってるみたいな変な感情。

 ………これが一目惚れっていうやつなのだろうか。

 こんな感情は、もう二度と感じたくなかったのに。もう誰も好きにならないって決めたのに。
 …なんで簡単に感じてしまうんだろう。
 僕は…本当のバカだよ。
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