どりーむタイムズ
 …ふ。コケて、笑われろ!!


「…邪魔。」
 でもそいつはコケずにそう言って、俺の足を踏んだ。


 ―その瞬間、クラス中が笑いに包まれた。

「斉藤~!いいぞ。もっとやれー。」
「井上をやっつけてくれ~!」
「井上、まじダサッ。」
「斉藤君、本当にカッコイい!?」

「ゴメンね、斉藤君。コイツ、本当にバカだから。早く席着きなよ。」

 ―またバカっつったな。由利!だいたいなんでアイツをかばうんだよ!!

「うん。」


 …なんだよ。そうなんだー。喧嘩売りたいのか。上等じゃねーか。地の果てまで、蹴り落としてやるよ!!!!

「……ヤバいよ。井上、本気で怒ってる。」
「真田、妙にアイツに好意持ってるみたいだし。」
「…斉藤、殺されるかもな。」
「…それは言えてるかも。井上本気になると、相当ヤバいからな。」
「斉藤はどこまで保つかな?」

 …つ、疲れたー。僕、こういう雰囲気メチャメチャ苦手っぽいかも。
 しかも、殺されるかもってなんだよ。まだコッチ来たばかりなのに…
 すぐ殺されたら、意味ないじゃん。


 ―そんな中で、朝学級が始まった。
< 6 / 21 >

この作品をシェア

pagetop