どりーむタイムズ
 その瞬間。ドアが開いて、さっきの話で聞いた人がそのまま入ってきた。

「Good morning~!なんだ2組は元気ないな。おお!お前が転入生の斉藤か。斉藤同士で仲良くしような!」


 ………うゎ。テンション高っ。

「はい…」
「なんだ、斉藤。元気ないなー。ちゃんと、大きな声で!」

「……」

「せ、先生。フザケてないで真面目に授業をして下さい。斉藤君も転入して来たばかりなのに、余計に戸惑ってしまうと思います。」
 …真田さん、ありがとう!

「でも、挨拶も出来ないのはおかしいぞ。斉藤、挨拶は?」
「………」

 この雰囲気は、言わなきゃダメかな…。

「先生!受験まであと、約4ヶ月なんですよ。早く授業をして下さい。」
「分かった。じゃ斉藤、次からは出来るようにな。」
「…はい。」

 …た、助かった~。

「………ありがと。」
「……別に、斉藤君をかばったわけじゃないよ。ただ、勉強したかっただけ。」

 彼女は顔が赤らんでいた。照れているのだ。


 …カワイー。


 ………僕は、今何を思ってしまっているのだろうか。

「じゃあ、斉藤。教科書の136ページを3行目から読んでみてくれ。」
「はい。」
< 9 / 21 >

この作品をシェア

pagetop