双子フタゴ兄アニ



「走れ!!」


うずくまるおっさんから離れ2人に言い放つと俺は先導を切って走った




薄暗い民家もまばらな道を、おっさんの狂気じみた怒鳴り声を感じながら走る



しばらくは無我夢中で走っていたがしばらくして余裕の出てきた俺はあることに気づいた





足音が少ない……!




すぐ後ろに吹雪が走っている

その気配は感じていた


吹雪がいるから伊吹も一緒だと思い、振り返りもせずひたすら走っていた



しかし、異変に気付き振り向くと伊吹が遠くで倒れている姿が目に入る



「ちっ」


やっと変態を振り切ったと思ったのに、おっさんは伊吹のすぐ後ろに……しぶとい!



俺はダッシュで引き返した

俺のUターンで伊吹の異変に気づいた吹雪にすれ違いざまに


「お前は助けを呼んでこい!」




叫びながら俺は、こうゆう場合にぴったりな合言葉を胸に、変態おっさんの元へ戻った





ぶ・ち・の・め・し・て・や・る!!




まあここまでしつこいといくら平和主義の俺でもキレるよな……?

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