双子フタゴ兄アニ
その後、ピクリとも動かなくなった変態を
「伊吹、そっち引っ張れ」
伊吹に手伝わせ
バシャン
ほとんど水の流れていないガードレールわきの下水道に落とした
「ふぅ」
一仕事終えた俺は達成感に息をつく
おっさんが静かになると辺りは音をたてる物が何もない
しーんとした暗闇の中で黙って立っている伊吹
「……怖かったか?」
俺の問いかけにコクンと頷く小さな影
置き去りにした罪悪感も手伝ってか初めてコイツに対して兄貴らしい感情を抱いた
低い頭にポンと手を乗せる
「大丈夫、俺が守ってやっから」
頭に俺の手を乗せたまま俺を見上げた伊吹の目に涙が光ったかと思うと、それはどんどん大きくなりみるみるうちに溢れていった
「今だって俺、お前が危ねぇ時来て、悪いおっさんやっつけただろ?」
ボタボタ涙を落としながらもコクコク頷く伊吹
「これからだってお前が危険な目に合う事なんてねーよ!俺がいるからな、だからもう泣くな」
俺が悪いみてぇじゃねーか……
悪いのか?いや悪くねー