双子フタゴ兄アニ



お兄ちゃんが料理から目を離さないまま

まるでわたしの不安をわかってるかのように聞いてきた




「…………ごめんなさい」


わたしは言葉を選んだ末、そう言った



「何で謝るの?イブ」


お兄ちゃんは少し驚いて料理の手を止めると

カウンターキッチンを抜けてリビングまでやってきた




「オレは怒ってなんかないよ」



イスに座りうつむくわたしの前にひざまづいて手をとる


まるで 王子様みたい




「ただ……少しだけ心配になったんだ」

「心…配……?」




手をにぎられたままお兄ちゃんを見つめ返す



「イブにだって……」


フブキお兄ちゃんはためらいながら口を開いた





「……イブにだって いつかは ふさわしいヤツが現れる」



ん?



「でもアイツじゃない!」


!!


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