White Giraffe

「はい?」

「だから、寝んだったらベッドで寝ろ。」

思いっきり、ソファーでスタンバっていたあたし。

「…はい?」

「お前の耳は、聞こえる事が右から左へ抜けるのかよ?」

「その皮肉は聞こえるのは何ででしょう?」

あたしがそう言うと、黒都は子供のようにクスクス笑った。

最近よく笑顔を見る。

それが嬉しくて、堪らなくなる。

「女がそんな狭いとこで寝るなよ。」

「構いません。」

「お前、変な所で頑固。可愛くねぇ。」

“お前”と連呼される言葉に、悲しくなる。

“城沢”でもいいから呼んでって言いたくなってしまう。

けれど、欲を出したら終わり。



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