White Giraffe
駅に行っても、黒都はいない。
分かっていても、行きたくなってしまうのは、あたしが駅を愛している所為か。
なんて、笑い事も言ってられなくて、すぐに試験が始まった。
「…あの。」
試験期間中、あたしは全然勉強していなかったから、酷い点を取った。
「…すいません。」
それでも叱る人は誰もいないから。
「四季さんですよね?」
…あたしより点数が良かった東金に怒られた。
桜の散った樹から目を戻し、後ろを向いた。
…この子、あたしに話しかけていたのか。
確かに、二人以外にこの渡り廊下を歩いている人間はいない。