White Giraffe
暫く、沈黙が流れる。
周りは都会の雑音でいっぱいなのに、時間が止まっているかのように静かだった。
「…ったく。」
彼はあたしの前を歩き始めた。
…少しだけ近付けた。
その事に、ホッと胸を撫で下ろす。
ラブホテルに入って、彼は手慣れた感じで扉を開ける。
「おい。」
入り口で足を止めたあたしに、そう投げかける。
「あ、はい。」
あたしは、投げやりに答え、バックをその場に置いてベッドに座った。
言葉もなく、彼はあたしに顔を近づける。