White Giraffe
キリッと睨むと、清は口を噤む。
「なんで城沢?藤堂四季だよな?」
「城沢四季。今は父親の方の家の人間なの!」
晶の言葉に苛ついて、性にも合わず怒鳴っていた。
それは、私のコンプレックスのひとつでもあるからだ。
「…何怒鳴ってんだ?」
ふと後ろから声がかかる。
全身が震える。
近くにいるという思いと、会いたかったという思いが入り混じる。
「…本人のお出ましかよ。」
舌打ちと一緒に清の声が聞こえた。
私は振り向いて、黒都の近くへ行く。
「邪魔者は退散しまーす。」
ふざけた口調で晶が言って、清も立ち上がって行ってしまった。