左肩の重み~隣で眠る君へ~
人の中心にいるのは疲れる。


確かにそうかもしれない。


「ごちそうさまでした」


食事を終えた美香は、丁寧に手を合わせた。


「律儀だな」


「そうですか?いただきますとかごちそうさまを言うのは当たり前です」


当たり前。


彼女が人前では笑顔しか見せないのも、当たり前のことなんだろうか?


このときふと思った疑問。


「もうひとつ聞いていい?」


「なんですか?」


「なんでいつも疲れた顔ひとつしないで笑ってるの?」


「だって笑ってた方がいいと思いません?何に対しても」


そう言って俺に、ふわっとした笑顔を向けた。


その笑顔を見て、俺も自然に笑顔になっていた。
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