左肩の重み~隣で眠る君へ~
コピーをし終わった美香は、力尽きたように机に突っ伏した。


「美香、帰るよ」


「うん」


けほけほと苦しそうに咳をする。


一体どれだけ我慢していたんだろう。


そのまま車で俺の部屋に連れて行く。


美香の着替えも何着か置いてあるし、看病するには普段自分が使ってる部屋の方が何かと不便がない。


「美香、着替えて熱測って」


ソファーの上で、今にも眠ってしまいそうな美香に声をかける。


「いつから具合悪かった?」


髪をなでてやると、気持ち良さそうに目を細める。


「月曜日から。ちょっとだるくて、でもやることあったし大丈夫だと思って」


なんで言わなかった?の言葉は呑み込んだ。


言わなかったんじゃなくて、言えなかったんだ。


美香はそういう性格だから、離れていても俺がもっと早く気付いてあげるべきだった。
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