左肩の重み~隣で眠る君へ~
電子音がした体温計を見ると、38度の見事な熱。


よくこんなんで仕事が出来たなと、呆れてしまう。


「なにか食べる?」


そう聞いても、首を横に振るだけ。


明日の朝一番に病院に連れて行こうと思い、市販の薬も飲ませずベットに連れて行く。


「買い物行ってくる。何か欲しいものは?」


小さく首を振る。


張ってた気が一気に緩んだためか、もう話す元気もないようだ。


そのまま深い眠りについたことを確認すると、俺は美香に必要なものを買うため車を走らせた。


買い物を済ませ家に帰ると、ベットから酷い咳が聞こえた。


背中を丸めて咳を繰り返す美香に、思わず駆け寄る。


しばらく背中をさすってやると咳は落ち着いてきたけど、その後の美香の呼吸はまるで長距離を走って来たランナーのようだった。


買ってきたスポエネにストローをさして、美香に飲ませる。


コクコクと喉を鳴らしておいしそうに飲んだ美香は、熱のためかそのまま瞼を閉じた。


本当に、どれだけ具合が悪いのを我慢していたんだろう。
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