左肩の重み~隣で眠る君へ~
この仕事を終えたあとでも、美香が遅くまで残ってパソコンに向かっているところをよく見かけた。


「早く帰った方がいい」


「えっ?」


誰も居ないと思ったのか、俺の声を聞いた美香は慌ててノートパソコンを閉じた。


「残業じゃないよね?」


「はい」


夜こうして会うと、美香は必ずパソコンを閉じた。


「私用?」


会社の物を私用で使うのは禁止されている。


その慌てっぷりが気になって、パソコンに疑いの目を向ける。


「・・・違います」


諦めたように、美香はパソコンを開いた。


「Excel(エクセル)?」


「苦手なんです。Excel」


恥ずかしそうに美香は笑った。
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