左肩の重み~隣で眠る君へ~
そう言えば、と思う。


美香がExcelを使ってるところをあまり見たことがない。


「でも今まで、ちゃんと資料作ってくれてたじゃないか」


美香に頼んだ資料は、どれもグラフや表も上手く出来ていた。


「それは、みんなが帰ったあとにやってたからで・・・」


「言ってくれれば教えた」


「へへっ。ありがとうございます」


苦笑いを浮かべて、美香は俺にお礼を言った。


しかしそれからも、美香は俺に教えて欲しいとは言ってこなかった。


それより、なんとなく俺に対してよそよそしくなった。


仕事を指示すれば、はいと笑顔で受ける。


それは変わりない。


でも、指示をした後にすぐに俺の前から居なくなる。


まるで、Excelの話を避けてるみたいに。


その話に触れて欲しくないって感じだった。
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