左肩の重み~隣で眠る君へ~
こくんと小さく美香はうなずいた。


「今回の仕事も、誰かに助けて欲しかった?」


また小さくうなずく。


「でも、聞けなかった?人の前では完璧でありたいから?」


ポロポロ涙を流しながら、美香は静かにうなずいた。


自然に俺に手は、美香の頭をなでていた。


美香には、頑張ったなとか言葉をかけるより、この方がいいような気がした。


「いいよ、泣いて」


「ごめん・・・なさい」


このとき初めて、笑顔以外の美香を見た。


きっと無理して笑っていたときもあったんだろう。


人の前では完璧でありたい。


だからミスは出来ない、したくない。


「すみません。もう大丈夫です」


しばらく泣き続けた美香は、やっぱり最後に笑顔を見せた。
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