左肩の重み~隣で眠る君へ~
「原田は、仕事好き?」


ある日、一緒に昼食を食べたときに聞いてみた。


俺の質問に美香は一瞬キョトンとした表情を見せたが、すぐに笑顔になって嫌いじゃないですと答えた。


「嫌いじゃないか」


「私大学のとき奨学金借りてたから、それ返すまでは働かないと」


意気込んで話す美香に、思わず笑いが漏れてしまった。


「なんで笑うんですか?次に大学通う子のために、頑張って返さないといけないんです」


「分かってる。ただ鼻の穴が大きく膨らんだのがおもしろくて」


「えぇっ」


サッと美香が鼻を隠す。


その顔は、恥ずかしさで赤くなっていた。


「じゃあさぁ、もうひとつ聞いていい?」


「はい?」


美香がなんでしょう?って顔をして俺を見る。


「人は好き?」
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