ナズナとリトの冒険物語
「おばあ様、どうしてナズナはこんな目にあわなくちゃいけないの?」

「またかい」

「だって…」

ナズナは痛そうに脇腹をさすりながら、続けた。

「ナズナが何をしたって言うの? 何にも悪いことしてないよ」

「お前は自分の役割に誇りを抱いていない。それはとても悪いことだよ」

「じゃあ、人を殴ったり蹴ったりして傷つけることは、いいことだとでも言うの?」

背中のムチの跡がズキズキと痛む。

「それがその人の役割ならね」

ナズナの祖母せりはそう言うと、後は忙しそうに手を動かした。

もう話し掛けるなということらしい。

せりの目の前には、大量のニワトリの死骸が転がっていた。

これらを食べられるようにするのがせりの役割なのだ。
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