Tear



『では、婚約戦を始めます。まずは皆さん、そこにあるドレスを着てください。』


そう言うと、召使いらしき人達が1人一着ずつ、ドレスを渡していった。


そして私の番……

サファイアブルーのドレス……


形はいたってシンプルなんだけど、色が綺麗で素敵なドレス……。


…で、何するワケ?

『ダンスをやってもらいます』

えっっ

ダンス?

私、ダンスなんか出来ないよ〜!?


『パートナーは僕です。』

キャーと言う歓声が上がる。

最悪

彼氏いるのにダンスとか、やっちゃうワケ?


『じゃあ最初は…そこの端っこの…サファイアブルーのドレスの子!』

えぇ!?

ムリムリムリ!

目立たないように端っこにいたのに!


第一、

ダンスなんかやったコトないし…。


「よろしく、お嬢さん」

「…あ、私、ダンスなんか出来ませんよ?」

「その方がやりがいがある…」

「足、踏んじゃうかも知れませんよ?」

「はは…面白い子だなぁ」
「バカにしないでください…!」

「じゃあ、始めよう」


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