太陽に輝く君 -夢空-
やっぱり隼翔は
すきがない。
「なんか遠い人に感じて…
決勝戦のときから」
「そう簡単に俺は
離れないから大丈夫」
その一言が欲しかった。
「下行くかっ」
静まった空気を
払いのけるように
あたしにそう声をかける。
階段を思い切りかけていく
あたしを見て隼翔は
少し鼻で笑ってみせた。
「ん?」
「面白いからさ」
そしてまた笑う。
「真帆ちゃんだっ!」
リビングに入るなり
陸があたしに抱き着く。
あたしはそんな陸を
力いっぱいに持ちあげる。