太陽に輝く君 -夢空-



殺風景な隼翔の部屋。

テレビはついていなくて
音楽さえも流れていない。

あたしたちの会話を
さえぎる、

要素なんて一つもない…。



それでも何を言えば
いいのか、

どう伝えるべきなのか。


あたしの口からも
言葉はひとつも出てこない。




「何か悩んでるの‥?」


考えに考えて
でてきた言葉はそんな言葉。


「もうわかんない」


いつもは強くて、
真剣で、優しくて…。

あたしからしたら
なんでもできる隼翔。


一応進学校に通うあたし。
そんなあたしより勉強も
遥かにできる。

桜山も文武両道をはかる
そこそこの進学校。

そこでトップをとる隼翔。

野球だって、
1年生で甲子園のマウンドを
踏ませてもらえるくらい。



その隼翔の言葉に
どうしても動揺を隠せない。


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