Slow Magic ―俺を変えてくれた人―
卓弥のヤツ・・・・・・
絶対許さねぇ。
俺がバイクで美亜を送る羽目になった。
ま、別にいいけど。
後ろに女を乗せることには慣れてるし。
恋愛なんて興味ないとか言いながら、俺は寂しさを紛らす為に、好きでもない女と数ヶ月付き合ったりもした。
そのたびに、相手を傷つけ、自分を傷つけた。
寂しさはどんどん大きくなるばかり。
「いいの?送ってくれるの?」
「はぁ?いいって言ってんだろ。早く乗れよ」
どうすればいいんだろう。
こんな風に誰かに必要とされていると感じることは最近なかったよ。
美亜が俺の背中を必要としているように感じた。
照れるから、“くっつくなよ”って言いたかったのに、言えなかった。
あまりにも、そっと・・・・・・
優しく・・・・・・
俺の背中に頬をくっつけるから。
どうすればいい?
そんなに俺が気に入った?
こんなに不器用でいじわるな俺なのに。