Slow Magic ―俺を変えてくれた人―
「おい!落ちんぞ!」
美亜の手を引っ張って、俺の体に巻きつけた。
きっと、この子は俺がどんなにいじわるをしても俺の心の中を知っている。
だから・・・・・・
「あったかい」
独り言のようにそんな言葉をくれた。
俺はあったかくねぇよ。
冷たいよ。
「安心する」
信号で停まった時、美亜はそう言って、また頬をくっつけた。
ああ。
俺もだ。
どうしてだかわかんねぇけどさ。
お前が俺にそうしてくっついてると、心が温かくなる。
安心する。
だから、今日だけは許してやる。
「くっついてていい?」
「好きにすれば?」
俺がそう言うと、
美亜は、頬をくっつけたまま、ふふふふって笑った。