Slow Magic ―俺を変えてくれた人―
俺はいつの間にか、心の中で美亜にメールを送っていた。
決して、実際に送ったりはしないが。
夕焼けが眩しくて、夕日がまんまるに見えた日。
夕日が綺麗だなって心の中でだけ美亜につぶやいた。
うまい飯を食っても、ムカつくことがあっても、気付けばアイツに向かって呟くようになっていた。
今までは1人だった。
1人ぼっちだった。
誰も本当の俺の心の中なんて理解してくれないと思っていた。
本当は弱いのに、それを隠して生きてきた。
誰にも同情なんてされたくなかった。
母親に捨てられたかわいそうな子だと言われるのはもうこりごりだった。
でもな。
なんでだろう。
どうしてアイツなのかわからないけど、
美亜になら同情されてもいいかなって思えた。
辛かったね、かわいそうに・・・・・・って頭を撫でて欲しかった。
ま、実際そんなことされたら、ふざけんなって美亜の頭叩くんだけどさ。