Slow Magic ―俺を変えてくれた人―
俺は、遠くに見える自分のバイクと星空を交互に見つめた。
決して、美亜の横顔は見ない。
今は見ちゃいけない。
これ以上、美亜の世界に足を踏み入れちゃいけない。
俺は女を信じられない。
信じない。
恋愛で自分を見失うのはもう嫌なんだ。
「隆介、過去に何かあったの?二股かけられたとか?」
「ぶん殴るぞ。てめぇ」
俺はふざけて美亜の頭をぐいっと引き寄せた。
「私ね、彼氏に浮気されたんだよね。しかも相手は私の友達」
サラっと言うな。
そんな辛い経験を。
俺は、美亜の頭をコツンと叩き、俺の体から離す。
変な気を起こして、抱きしめたりしちゃわないように・・・・・・