Slow Magic ―俺を変えてくれた人―
「もしかして、さっき電話かかってきてた鈴子って人?」
勘の鋭いヤツだ。
「うっせーな。お前には関係ないだろ」
さっき食事中に鈴子からかかってきた電話を、怪しんでいた美亜。
怪しまなくても大丈夫。
鈴子は、俺のことこれっぽっちも男として見てないから。
「そんなことより・・・・・・ お前俺に惚れんじゃねーぞ」
「惚れるわけないじゃん。あんたみたいなS男!!」
「お前、ドMな癖に!!」
いつまでもこのままでいられないか?
なぁ、美亜。
こんな風にバカなこと言って、笑っていられる関係でいられないか?
好きとか嫌いとか、付き合うとかそういうことを抜きにして・・・・・・
俺と一緒にいて欲しい。
って・・・・・・こんな男って最低だと思うけど。
まだ俺は美亜を受け入れることはできない。
一生俺は誰のことも受け入れられないのかな。
なぁ。
美亜。
俺のことが好きなら、俺を助けて。
この孤独な世界から俺を救ってくれ。
ゆっくり・・・・・・
ゆっくり・・・・・・
俺に魔法をかけて。